全国B型肝炎訴訟原告団代議員総会参加

 一昨日(26日)東京で、全国B型肝炎訴訟代議員総会があったので、大阪原告団の一人として参加した。会場には、代議員80名を含め傍聴の原告・弁護団が130名ほどが参加した。
 今年は国とB型肝炎訴訟が和解して5年目、先行の訴訟が和解して10年目に当たる。全国の原告団弁護団、一緒に肝炎対策の充実を求め活動している日本肝臓病患者団体協議会(略称:日肝協)・薬害肝炎訴訟原告団弁護団との協力・協同で運動は大きく前進したと言って良い。その最たるものが、衆参両院で全会一致で採択された、国会請願署名である。提出された署名も20万筆を超えた。
 請願項目は下記の通り。
(請願項目)
1.ウイルス性肝硬変・肝がん患者に係る医療費助成制度づくりを早急に検討し進めてください。
2.既に着手しているB型肝炎ウイルスを排除する治療薬等の研究開発を加速してください。
3.潜在する肝炎患者・感染者の早期発見と適切な治療のため、肝炎ウイルス検診を更に促進し、陽性者を受診・治療に結びつけるフォローアップ施策にいっそう力を入れてください。
 とは言え、これで全てが終わったわけではない。請願内容をいかに現実のものとしてくかが問われている。国会任せにしていては前進がないのはそのとおりである。国は消費税の引き上げで社会保障の充実を図ると言っていたが、引き上げは延期になった。私は、今までの消費税が社会保障の充実に使われたとは思っていない。大企業や高額所得者への減税に使われたと考えている。従って、そこへの見直しが必要で社会保障充実の財源は十分にあると考えている。税の使いみちを変えれば良いだけである。参議院選挙は戦争法・集団的自衛権の行使の是非だけでなく、私たちの暮らし・健康をどうするかにも深く関わってきている重要な選挙で、そういった視点で投票先を選んでもらいたいと思う。
 B型肝炎訴訟について言えば、まだまだ大きな問題がある。厚労省の試算によれば注射器の使い回しによるB型肝炎被害者は約45万人。しかし、国との基本合意ができて5年にもなるのに、救済を求める提訴(訴訟)ができたのは約3万人しかいない。B型肝炎訴訟についてまだまだ知らない人が多いということ、自分が予防接種時の注射器の使い回しによる被害者であることを知らない人が多いということを示している。国・都道府県に働きかけて肝炎ウイルス検査の受検を進めると同時に、原告団としても受検への有効な手立てを講じることが求められているのではないか。原告団として肝炎対策の充実を図るための活動費として和解者から頂いているお金の一部を、テレビや新聞を通じて受検を勧めるCMを作ってもよいのではないかと考えた。
 総会では全議案が満場一致で採択され、役員もほとんどが再任された。
 総会後に、「集団予防接種等によるHBV感染拡大の真相究明と被害者救済に関する調査研究」(研究代表:岡多枝子さん 日本福祉大学)の報告を聞いた。報告の最後に「政策提言」があり、こう書かれていた。
1.国は、保健行政の反省を今後の被害者救済と再発防止、恒久対策に生かすことが求められる。
2.実効性のある治療法の進歩、医療費助成や生活保障、障害認定基準の緩和や就労支援と勤務軽減等を実施する必要がある。
3.被害者・遺族への相談や当事者活動(教育啓発・サロン活動等)の支援、適切な情報提供等を保健・医療・福祉の連携によって推進する必要がある。

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 湯浅竹山人編「粹の懐」昭和2年(1927年)12月発行
◯来るか来るかと待せて置て、よそへ逃たる夕立雲。
◯親指と小指斗(ばか)りで願ひの紙を、結ぶゑにしも末の為。
◯隔てられても心の奥は、すけて見へすくよし障子。
◯とても今宵は逢むと知れば、早ふ寝てまつぬしの夢。
◯おまへゆへなら苦労はおろか、たとへ身を粉に碎いても。