守大助の会中四国ブロック交流会、平和のための広島の戦争展、B型肝炎原告陳述集「希望の灯をかかげて」など

 8月27日・28日に広島で守大助の「第4回中四国ブロック交流会」が開かれたので、T副会長・K事務局長・M事務局員等と参加した。参加した県は、広島・岡山・山口・愛媛・徳島であった。参加者では看護師職が多かった。看護師にとっては、守大助さんのえん罪は人ごとではない。
 27日(土)は「再審無罪DVD」の上映の後、参加者の自己紹介(この日は23名参加)、各会の活動報告をはじめ意見交流を行った。それぞれの県で努力をしているところが伺われたが、まだ会として確立していない県、不参加の県もありこの克服が守大助さんを支援する上で一番大きな課題であると、再認識させられた。意見交流では、街頭などで守さんのえん罪を訴えるには、手短に要点をとらえた話をすることが大事だと指摘されたが、日頃の私の訴えもそういう意味では不十分でなかなか大変なことだと感じた。
 夜は、宿泊しているホテルで交流集会を行った。
 28日(日)は29名が参加し、新屋達之教授(福岡大学・法学部 仙台出身)による講演「北陵クリニック事件・再審開始のため何をなすべきか」があった。裁判での「真実」と私たちが行っている救援活動での「真実」との違いについても話された。守さんの事件については裁判では証拠開示の重調度は相対的には低いが、救援活動では重要とも話された。そして、検察の「土橋鑑定」「橋本証言」の誤りを明らかにする(志田意見書・池田意見書などですでに明らかにはなっている)ことが大事だと認識させられた。
 交流会では、守さんからのメッセージが紹介され、仙台高裁あての再審開始決定を求める3点の要請が採択された。以下のとおり。
①本事件に関わる捜査機関手持ちの全ての証拠を職権で開示させること。
②積極的に三者協議を開き、証人調べを行い事案の真相を明らかにすること。
③速やかに再審開始決定を行うこと。

 今回、広島に来たのは徳島からの高速バスであった。ところが高速バスは1日2便しかない。12時に会議が終わったのだが、帰りの便は午後5時。大変時間がある。そこで行ったのが「平和のための広島の戦争展」。会場には戦争中の写真や手記、軍服、出征兵士に送ったのぼり旗など戦時中の兵士・庶民の生活がよく分かるものがたくさん展示されていた。今回で22回になるこの戦争展、日本国憲法が弘布されて70年、ますます憲法が謳っている平和と民主主義を守り発展させることが大事だと認識させられた。戦争展を見ても、まだまだ時間があったので、原爆ドーム平和公園を見てきた。とにかく、外国人が多かった。それも欧米だけでなくアジア・アフリカの人達も多かった。
 それでもなお5時の高速バスに乗るにはまだまだ時間があったので、紀伊國屋書店に立ち寄った。そこで購入したのは、「被差別小説傑作集」(河出文庫)、「中検2級試験問題」(白帝社)、尹東柱詩集「空と風と星と詩」(岩波文庫)であった。尹東柱詩集は中国・延辺に行った時に中国語訳の尹東柱詩集「仰望天空 毫无愧恨年」を買ったのだが、きちんと理解するためであった。

 徳島から広島に行く高速バスは、乗車時間が片道4時間。そこで持参して読んだ本がB型肝炎訴訟東京原告団の「希望の灯をかかげて」という、原告の裁判所における陳述集と「人形」(多田敏捷 紫紅社文庫)であった。

人形 うつし絵・着せかえ・ぬり絵 Dolls (多田コレクション) (紫紅社文庫)

人形 うつし絵・着せかえ・ぬり絵 Dolls (多田コレクション) (紫紅社文庫)

 東京の原告団から昨年11月に頂いた陳述集は読んでいて大変心が重たい。国の誤った厚生行政によってB型肝炎ウイルスを身体に持たされ、慢性肝炎・肝硬変、肝がんになり、肉体も精神も経済も大変な目に合わされた原告たちが自分自身のことだけでなく、他の救済されない人たちのためにも裁判所の内外で闘っている姿が綴られている。東京原告団の原告番号1番の女性は2008年11月21日の陳述で以下のように述べている。
 彼女が感染を知ったのは21歳の時。「幼稚園に勤めて、2年目の5月でした。前年の秋から体調不良が続き、それまでの症状・検査結果から、すでに慢性肝炎が発症していることを医師から伝えられました。」そして、就職して2年目で退職。退職後、過酷なインターフェロン治療を受ける。今の彼女は、「再発しないよう現状を維持することが第一に優先で、親を頼って生活しており、親の人生も変えてしまったと思います。.....この肝臓を包丁で取り去れば楽になれるかもしれないと思ったほど、追いつめられたこともありました。」と述べている。

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 湯浅竹山人編「粹の懐」昭和2年(1927年)12月発行
◯かたひ契りの幾千世迄と、岩に根おろす姫子松。
◯鶴と亀とはへだてていれど、おふた中とは人が言ふ。
◯くもる朝日は暫(しばし)の色を、添すなさけの雪の笹。
◯松にからめどはづかしそふに、とかくうつ向藤の花。
◯かたひつぼみをとかせて置て、ころび歩行(あるい)た蓮の露。