「被差別小説傑作集」塩見鮮一郎、掃除

 昨日から、連れ合いが東京に行って不在なので、朝から部屋の掃除をした。食堂・廊下は掃除機を使いその後は雑巾で床を拭いた。蒸し暑い上に力がいったので汗びっしょりになった。
 昨日は、徳島肝炎の会の近藤事務局長と一緒に、徳大医学部の消化器内科医局を訪問して、10月22日に行われる医療講演会・B型肝炎訴訟相談会の、医療講演の申込をしてきた。

 「被差別小説傑作集」(塩見鮮一郎河出文庫)を読んだ。帯には「文庫で初めて編まれる」と書いている。手軽に(内容はそうではないが)読めることは大事なことであると思う。「藪こうじ」(徳田秋声 1896.8)、「寝白粉」(小栗風葉 1896.9)は書かれた時期が古いので、まるで古文で死後になった言葉も多く、私にはなかなか理解しがたい。「移民学園」(清水紫琴 1899.8)の著者は「著者プロフィール」に、女権運動に活躍。夫が農芸化学者・古在由直、次男が哲学者・古在由重、孫に天文学者古在由秀、農学者・古在豊樹がいると紹介されていた。色んな分野・立場の作者の小説が集められており、書かれた時代・著者の立場が理解されて興味深い一冊である。
 塩見による作品解説が丁寧に書かれているが、その中で先駆的な研究書として北川鉄夫の「部落問題を取り上げた百の小説」(北川鉄夫 部落問題研究所 1985.5)が紹介されていた。書棚を調べてみたらでてきた。塩見の「被差別小説傑作集」では11作品しか掲載されていないが、部落問題を扱った小説もたくさんあるものである。11作品の内「部落問題を取り上げた百の小説」で取り上げられていなかったのが「特殊部落の犯罪」(豊島与志雄)、「関東・武州長瀬事件始末」(平野小剣)であった。
 B型肝炎でも差別・偏見に苦しめられている多くの当事者が、声を上げなければ物事の解決ははかれない。

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 湯浅竹山人編「粹の懐」昭和2年(1927年)12月発行
◯あかぬおもひに止(とめ)さしながら、長ふ添れぬ竹の雪。
◯とめずかへすも身ためでながら、残るみれんの見へがくれ。
◯あへば笑ふてわかれにや泣て、うわさ聞てははら立てる。
◯譯を付られ秋はて稲も、そふたいなごもやせがつく。
◯おもひがけなひ身の濡衣も、はれて嬉いひむら時雨。