「つくられた恐怖の点滴殺人事件」守大助さんは無実、大掃除疲れた

つくられた恐怖の点滴殺人事件: 守大助さんは無実だ

つくられた恐怖の点滴殺人事件: 守大助さんは無実だ

 
 最近出版された上記の本を読んだ。守大助さんの弁護士の阿部泰雄さんとジャーナリストの山口正紀さんによる編著である。仙台高裁での再審開始決定がなかなか決まらない時に、タイムリーな出版であると思う。
 阿部弁護士の「幻の連続殺人事件 筋弛緩剤点滴はなかった」、山口さんの『「筋弛緩剤点滴殺人事件」報道 冤罪を助長した警察情報の垂れ流し』と、仙台高裁宛の3人の意見書の、私たち素人にもわかりやすい要約がある。
 志田保夫さんの「筋弛緩剤は検出していない 確定判決唯一の証拠・警察鑑定はまちがい」、池田正行さんの『「筋弛緩剤中毒」という診断は誤り 女児の急変原因は「ミトコンドリア病」』、浜田寿美男さんの『「守自白」は、虚偽 むしろ無実を証明している』。
 さらに、守大助さん、守さんの母親、元同僚の篠原幸子さん(徳島の総会にも来てもらった)、看護師の草間照子さんらが、事件に対する思いをつづっている。また、元ザ・スクープのキャスターの鳥越俊太郎さんが「刊行に寄せて」を寄稿している。
 仙台北陵クリニック筋弛緩剤えん罪事件のデタラメさがよく理解できる一書である。裁判記録などを読んでいても、専門用語がたくさん出てきてわかりにくい事柄も、理解されやすい記述となって、事件の真相がわかるのであった。
 ぜひとも、仙台高裁の3人の裁判官に読んでもらいたいものだ。

 山口さんは、「事件は無差別殺人などではなく、北陵クリニックという医療機関で起きた複数の原因による患者の死亡・急変を警察が『事件』化したものでした。殺人事件なら犯人・殺人犯がいます。しかし、この事件に殺人犯はいません。北陵クリニック事件とは、警察・メディアが合作した冤罪事件です。」としている。
 山口さんは守大助さんを「恐怖の点滴殺人男」に仕立てた「仙台・筋弛緩剤事件」も警察情報に依存した「構造的な誤報」としている。報道機関が警察情報にのみ依拠して、独自の調査を放棄していることが、冤罪を生む温床になっていると思える。
 徳島の守大助さんを支援する会では、事件の内容を多くの方に知っていただくために11月の役員会でこの本の普及を決めている。とりあえず50冊を注文した一冊が私の手元にある。
 編者の一人の山口正紀さんは来年2月4日に徳島に来ていただいて、第12回総会で話をすることになっている。今から聞くのが楽しみで待遠しい。

 正月に向けての大掃除がようやく終わった。4日間もかかってしまった。とにかく、きれいになって正月を迎えることができそうだ。

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