B型肝炎訴訟裁判期日、「正岡子規 人生の言葉」(復本一郎)、安否確認・見守り隊

 本格的に暑くなって、身体がたまらない。14日(金)は大阪地裁でB型肝炎訴訟の裁判があったので参加した。今回は、徳島の女性で和解するという人がいて、大阪地裁には初めて行くということで案内をした。
 この日は皆さん力を入れて傍聴を呼びかけたのであろう。100名余入れる傍聴席に入りきれない人がいた。意見陳述したのは原告番号3954番の女性遺族原告と原告番号4157番の女性原告。
 3954番さんは息子さんを肝がんで失った。彼女は、「B型肝炎ウイルスは、息子から未来を奪い、壮絶な苦しみと痛みを与えました。そして息子の結婚までも奪っていきました。中略。同時に私達家族から最愛の息子を奪っていきました。私達家族は、今尚苦しんでいます。今後も癒えることはありません。」と語った。
 4157番さんは、3人の息子さんを産んだ。こう語っている。「長男出産後には、病棟の共同トイレを使う際、消毒綿の入った容器を持たされ、使用前後には必ず、丁寧に便座を拭くよう指示されました。そして長女出産後はその共同トイレの使用も禁じられ『あなたは、ここのトイレを使って下さい』と案内されたのは、暗く誰も使っていない和式のトイレでした。術後まもなく、ふらふらで歩くのもやっとのときに、どうやって用を足せばよいのか、その場で呆然と立ち尽くしてしまいました。勇気を出して屈もうとすると、腰が抜けそうになり、お腹の傷が開いてしまいそうなほどの激痛に襲われ、本当にこのときほど辛く、自分がみじめに思えたことはなく、今でも忘れることができない苦い思い出となっています。」しかも彼女は歯科でも受診を拒否されている。

正岡子規 人生のことば (岩波新書)

正岡子規 人生のことば (岩波新書)

 大阪に行く高速バスの中で読んだのが、復本一郎の「正岡子規 人生の言葉」。復本の本で読んだのは「俳句とエロス」(講談社新書)。俳句革新・短歌革新に大きな業績を残し36歳で亡くなった正岡子規の、味わいのある言葉が、「泣・希・友・笑・識・独・親・進」をキーワードとして、夏目漱石など親しい友人あての手紙などで紹介されている。私はすでに子規の倍近い年令になった。「小人閑居して不善をなす」の類で、立派なことは何もなしていないのだが、「独」の項「空涙は無用に候」において、「何派の葬式をなすとも、棺の前にて弔事、伝記の類読み上候事無用に候。戒名といふもの用ゐ候事無用に候。曾て古人の年表などを作り候時、狭き紙面にいろいろ書き並べ候にあたり、戒名といふもの長たらしくて書込に困り申候。戒名など無くもがなと存候。中略 棺の前にて空涙は無用に候。談笑平生の如くあるべく候。」

 連れ合いが6月10日に長野・駒ヶ根に住む次女が出産したので応援に行って、既に40日を過ぎた。孫達が夏休みになると皆を連れて戻ってくる。私は、一人暮らしである。近くに住む義弟夫婦が気にかけてくれて、夕食のおかずを時々運んでくれる。ありがたいことである。よく考えてみると、これが高齢者の一人暮らしに対しての、「安否確認・見守り隊」ということになるのだろう。美味しく温かいおかずでたいへん助かっている。

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「江戸端唄集」(岩波文庫
◯都々逸百人一首
 こんやはいぶきの 三年もぐさ さしも名物 よくもゆる
 本歌:かくとだにえやは伊吹のさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを(藤原実方朝臣
 あけりや暮ると さて知りながら かねやからすが うらめしい
 本歌:明けぬれば暮るゝものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな(藤原道信朝臣)