選挙応援、健康班会「肺気腫」・あわ9条の会事務局会議・「論語」(加地伸行 講談社学術文庫)と安倍総理

 16日(月)は衆議院選挙で徳島2区から立候補している日本共産党の久保候補が阿波市に来たので、地元を1時間半ほど案内した。雨が降り寒くて、候補者もアナウンサーも運転手も大変であった。
 17日(火)は徳島県庁の感染症・疾病対策室を訪問した。来年度改定になる「徳島県肝炎対策推進計画」について、県はその改訂作業を進めている。他県でも来年度の肝炎対策の改定に向けて準備が進んでいる。この日は、朝8時半から9時40分まで、徳島肝炎の会、B型肝炎訴訟大阪弁護団・原告団が呼ばれて、改定について意見を述べてきた。中島弁護士・近藤徳島肝炎の会事務局長・私が参加した。
 改定の(素案)を示されて、それについて意見を述べた。10月27日に県肝炎対策協議会が開かれるので、事前に私たちの意見を聞こうということになったようだ。担当者は熱心に聞いてくれて、私たちが提案したすべてが改定案の中に書き入れられるとは限らないが、ありがたいことだ。他県では事前に患者会B型肝炎訴訟関係団体の声を聞くことはあまりないようで、徳島県の場合はいい傾向だと思った。
 昨晩は、我が家であわ9条の会の事務局会議があった。15日に予定されていたマルナカ柿原店前での宣伝行動は、雨のため残念ながら中止になったが、今後のニュースの発行予定、宣伝行動予定などを話し合った。
 

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 加地伸行の「論語」(講談社学術文庫を読んだ。そこで、我が家の本を調べてみた。
 我が家にある、論語孔子関係の本は以下のとおりであった。
 「論語」(武内義雄)、「論語」(山本得エ)、「論語」( 金谷治)、「論語」(加地伸行)、「論語 その裏おもて」(駒田信二)、「論語集註」( 簡野道明)、「論語徴1 東洋文庫」(荻生徂徠)、「論語徴2 東洋文庫」(荻生徂徠)、「論語譯註」(楊伯俊 中華書店)、「孔子」(貝塚茂樹)、「孔子」(和辻哲郎)、「孔子家語」「孔子伝」(白川静)、「孔子物語」(丁寅生)
 論語は、高校時代の漢文の授業に出てきたと思うが、その内容は覚えていない。論語を学んだのは大学時代の私的ゼミであった。松浦友久先生(李白研究家)に教えてもらった。参加者はいつも2〜3人程度であったと思う。テキストは明治書院の「論語集注」であった。本文は中国語で読み、「注」の部分は漢文読み下しであった。私がゼミに参加中に学んだのは憲問第十四、衛霊公第十五、季氏第十六、陽貨第十七、微子第十八、子長第十九の部分であった。テキスト以外には金谷治訳注(岩波文庫)と「論語譯注」(楊伯俊編  中華書局)を読解のために使った。もっとも、内容を理解したとはとても言い難い。
 論語では「君子」と「小人」が頻出する。ここでは「君子」は「教養人」、「小人」は「知識人」と訳している。
 気になった部分を加地伸行の現代語訳で紹介する。
◯老先生の教え。(他人に対して人当たりよく)ことば巧みに飾りててたり、外見を善人らしく装うのは(実は自分のためにというのが本心であり)、《仁》すなわち他者を愛する気持ちは少ない。
◯老先生の教え。教養人は善く生きたいと願うが、知識人は(地位や豊かな生活の)安泰を願う。教養人は責任を取る覚悟をするが、知識人は(お目こぼしで)なんとか逃れたいと思う。
◯老先生の教え。粗食であり飲むものは水、肘を曲げて枕として寝る。そのような質素な生活の中に、楽しみがある。不当なことをして得るような財産や高位は、私にとっては雲のようになにも関係もない。
◯老先生の教え。教養人は公平であり、ゆったりしている。知識人は他者よりも長(まさ)ろうとしてこせこせしている。
◯子貢が為政者の心構を質問した。老先生はこうおっしゃられた。「民の生活の安定、十分な軍備、そして政権への信頼である」と。すると子貢は質問した。「(食・兵・信の)三者の内、どうしても棄てなければならないとしましたならば、まずどれでしょうか」と。老先生は「軍備だ」と答えられた。子貢はさらの質問した。「では残った二者の内、どうしても棄てなければならないときは、どれでしょうか」と。老先生はこう教えられた。「生活だ。(もちろん食がなければ死ぬ。しかし)古来、人間はいつか必ず死ぬ。(けれども)もし為政者への信頼がなければ、国家も人も立ちゆかないのだ」と。
◯老先生の教え。もし為政者が自分自身を正しくしたならば、行政はたやすいものだ。自分自身を正しくすることができないで、人々をどのようにして正そうとするのか。
◯老先生の教え。人間が(努力して)道徳を実質化してゆくのであって、道徳が(どこかに鎮座していて、それが自然と)人間を高めてゆくわけでない。
◯孔先生の教え。自分にとって有益な三種の友がある。(逆に)有害となる三種の友がある。まっすぐな友、義理堅い友、博識の友、これは有益である。しかし、追従する友、裏表のある友、口先の巧みな友、これは有害である。
 論語儒教の根幹として、いろんな評価がある。その時代に語られたことと、現代に理解されていることとは大きな隔たりがあり、現代語でそのまま理解することは誤解を生じる。そうは言っても、ここで語られていることを、どうしても安倍総理の言動と比較してしまう。森友・加計問題、道徳の教科化などを見ると、安倍総理のしていることが教養人・知識人と離れていること甚だしいと考えさせられる。彼は、君子とも小人とも言えないのが正しい評価といえると思う。そんな人をいつまでも総理にいただいている訳にはいかないと、「論語」を読んで実感させられた。