連れ合いの「古稀」、スピーキング・ツアーで戦争反対を伝える

 12月4日(月)4時半から徳島大学のけやきホールで徳大の市民公開講座(学生も授業の一環として受講)があったので、連れ合いと参加した。これは「安保法と憲法とくらしを考える会」と担当の講座が共催して行ったもの。アフガニスタンイラク戦争に従軍した元米兵2人が、11月から来日して日本各地でスピーキングツアーを行っており、徳島にも立ち寄ったものである。
 会場には100人を超える人が来て、熱心に話を聞いた。アメリカが行ってきた戦争は戦争やテロを根絶する為に行われているのではなく、多くの民間人が米軍に殺されていることが元兵士の口から明らかにされた。話をしたのは、ローリー・ファニングさんとマイク・ヘインズさん。戦争に従軍しているうちにその戦争が正義のためではないことに気づき、退役してから数年を経てから、戦争の実態を知らせる活動に参加している。韓国の済州島や沖縄の辺野古・高江にも行って、現地の反対する人々と連帯して行動している。
 若い学生たちが、2人の話を聞いてどういう感想を持ったのか、聞いてみたいものだ。また2人は、以下のように話がされた。
「800の米軍基地が米国外にある」
「20017年度米国連邦最良予算の54%が国防予算に回され、貧困層が多い」
CSISに日本の税金が寄付されている」
日米地位協定憲法9条の上にある。日本はまだアメリカの植民地」
「米国では一日22人の帰還兵が自殺している」
「弾丸の代わりに野菜を落とす運動をしていく」
「米軍基地は日本を守らない。逆に標的になる」
 CSIS戦略国際問題研究所 英語: Center for Strategic and International Studies) は表向きは民間のシンクタンクで、政府や軍需産業のための調査・研究をするコンサルタント会社だが、実際には、政権交代で政府を出た高級官僚が次の政権交代で復活するまでの間準備をしたり、政府の外から影響力を公使(ロビー活動)するための場所である。

 この日は連れ合いの70歳の誕生日であった。「古稀」である。娘や息子、孫たちからプレゼントやメール・手紙が届いた。昨年2月8日に私も古稀になったので、その謂れをその時に紹介した。
 古希の由来は唐の詩人、杜甫の曲江詩「人生七十古来稀」にちなんでいる。せっかくだから、大学時代の恩師松浦友久先生の著書「唐詩の旅 黄河編」(教養文庫)に登場してもらおう。
 朝回日日典春衣,
 每日江頭尽醉帰。
 酒債尋常行処有,
 人生七十古来稀。
 穿花蛱蝶深深見,
 点水蜻蜓款款飛。
 傳語風光共流転,
 暫時相賞莫相違。

 朝より回りて 日日春衣を典し
 毎日 江頭に 酔いを尽くして帰る
 酒債 尋常 行く処に有り
 人生 七十 古来稀なり
 花を穿つ蛺蝶は 深深として見れ
 水に点する蜻蜓は款款として飛ぶ
 伝語す 風光 共に流転し
 暫時 相賞して 相違ふこと莫からん

 朝廷から退出すると、日ごとに春の衣服を質に入れ、
 来る日も来る日も、曲江のほとりで酔いしれては帰宅する
 酒手の借金は、いつでも、どこでも、ついてまわるのに、
 人が生きつづけて七十になるのは、古来、めったにないことだ。
 花叢を縫って舞うちょうちょうは、その花の奥深く、わずかに姿を現わし、
 水面に尾を触れるとんぼは、その水に親しみつつ、ゆるやかに飛んでゆく。
 春の日の風と光に、私は言葉を託したい。私も君たちも、共に流転し移ろいつつ、
 せめて暫時は、互いに愛であって、互いに違きあうことがないようにと。

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「江戸端唄集」(岩波文庫
◯都々逸百人一首
 山の秋風 夜はしんしんと ふけて身にしむ 遠ぎぬた
 本歌:み吉野の山の秋風小夜ふけて古里寒く衣うつなり(参議雅経)
 見すてられれば 私(わ)しや墨ぞめの 袖とかくごは きめて居る
 本歌:おほけなく憂き世の民におほふかな我が立つ杣(杣)に墨染の袖
 ※墨染の袖:仏門に入ること