大雨続き、「白桃」(野呂邦暢 みすず書房)

 徳島も、毎日大雨続きである。大雨による被害も、各地で出ている。我家は吉野川からは少し離れているし、山も遠いので比較的安全である。しかし、水曜日午前中の中国語教室は、遠くから来る人もいるため、危険なので中止となった。メダカの池も水が溢れ、流されたメダカもいる。排水が大変だ。
野呂邦暢の「白桃」を読んだ。もう、6年間も積読であった。

白桃―― 野呂邦暢短篇選 (大人の本棚)

白桃―― 野呂邦暢短篇選 (大人の本棚)

 
 同じ時に、「夕暮の緑の光」を購入して、これはすでに読んでいる。2012年7月22日のブログに「夕暮の緑の光」については書いている。とにかく野呂の文章は気品があって優しい。本の表題と同じ最初の小説「白桃」の冒頭に、
 「皿にのっている桃のたっぷり水気をふくんだ果実の表皮にはうすいにこげのようなものが生えている。みつめているうちに金色に輝く桃の内部にはあたかも一つの光源があって、そこから淡い透明な光が外にひろがり、テーブルを明るくしているような感じさえしてくる。」と、美味しさいっぱいの桃の見事な表現がでてくる。感心してしまう。
 野呂は長崎県諫早市の出身。そこで長崎原爆に遭遇し「藁と火」という短編を書いている。原爆への静かな怒りが伝わってくる。その昔、ほるぷ出版から「日本の原爆文学」(全15巻)が出版されていたが、野呂の作品も収録されたのだろうか。

今年の目標
①中国語検定2級合格 不合格だったので、次回11月25日をめざす。
魯迅全集全20巻読了 現在、第5巻47ページまで読了。
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「山家鳥虫歌」(近世諸国民謡集 岩波文庫
◯千代も長かれ此の君の 老木(おいぎ)の松は栄えゆく
◯他国隔てて海山越えて 見ずと心は変るまい
◯松になりたや有馬の松に 藤に巻かれて寝とござる
◯咲いた桜になぜ駒繋ぐ 駒が勇めば花が散る
◯幼馴染に離れたをりは 沖の櫓櫂(ろかい)が折れたよな